待合室にはり・灸免許証を掲げていますが、当時の厚生労働大臣の名前が「M添Y一」と書いてあります。
どの患者様も「あ~先生…これは…あ~」という反応をされます。経年の風化を感じさせない何かがあります。恐らく同時期に免許を取得された先生方も同じご経験があるかと思います。
中国医学では「陽暑」と「陰暑」があります。
陽暑とは炎天下で運動や仕事をすることから起きる症状です。
陰暑は大汗をかいた状態から冷水シャワーや冷たい飲食をしたり、外から急にエアコンのきいた屋内に入ったりして、皮膚の毛穴が収縮して散じるべき熱が内にこもることを言います。「暑熱在内、寒湿在外」です。
原因は異なりますが、症状は同じです。
今は容易に冷やすことができるため、人体の耐熱機能が弱りやすくなっています。
陰暑の原因の1つにエアコンと同じく、「冷たい飲み物」があります。
アイスやジュースが大部分を占めるのでしょう。ぬるいビールは力のこもっていない握手と同じで最悪です。。。大量の冷飲は胃腸を刺激し、血管を収縮させ、粘膜は虚血して、内分泌は失調し、胃酸は減少して、消化吸収能力が衰え、下痢や疼痛を引き起こす原因になり得ます。
持って生まれた体質も考慮しなければいけませんが、冷たい飲食は「悪」というよりも「法」が大切になります。
1.量
大量に摂取すると胃粘膜の血管を収縮させ、胃液を減少させて食欲低下や消化に影響します。一度に150ml程が良いでしょう。
2.速度
キンキンに冷えたビールや氷の入ったコーラの爽快感たるやこの上ない珠玉の喜びですが、アッツアツのコーヒーをすするのと同じぐらいの速度で味わいながら少しずつ飲むと良いでしょう。
3.時
食前食後はお勧めできません。食前の冷飲は食欲に影響して営養欠乏になり得ます。食後の冷飲は胃酸分泌が減少して消化系統や免疫機能が弱まり最近繁殖がしやすくなって腸炎等に影響します。
4.禁忌
病気のある人・小児・老人は控える。
今は「陰暑」のよる病が多いようです。
お腹を温めることが重要です。
睡眠・運動・食事・心の持ちようは大切ですが、その「方法」も大切ですね。