ほんとく日記

生姜のすすめ

古くは養生のことを摂生といいました。自分で自分の躰を知り会話することも大切ですよね。

今回は食療としての生姜をご紹介致します。(以下はあくまで私が中国で学んだことです)

 

味は辛、性は微温、脾・胃・肺に入り発汗させる・吐気や咳止め・解毒作用があり、冷えや風による感冒や胃痛・嘔吐・下痢の方には最適です。辛辣・芳香の成分があり、ジンゲロールは口腔及び胃粘膜を刺激して消化液分泌を促進し、食欲を増進させて腸張力とリズムや蠕動を増加させます。生姜油は呼吸と血管運動中枢に対して興奮作用を持ち、血液循環を促進させます。

個人的には浙江省の五指岩山という場所で取れる生姜が今までで一番美味しかったです。気候変冷時は陽気を通じさせて寒を御し、脾を温め胃を暖める。脾胃の消化吸収機能を活発にし、体表の寒気を散発して、感冒を予防します。食事しても味がしない・飯量減少時には数片の生姜そのものを食べるか料理に加えます。胃潰瘍・虚寒性胃炎・腸炎・悪心・嘔吐症状に善いです。更に脳や精神を活性化させ動脈硬化を予防し抗老衰作用があり、陽気を助け新陳代謝を早め経絡を通じさせます。腎の弱りによるEDにも効果が期待されます。

注意点

早朝が良い。

古くから民間では「早吃三片姜,胜过人参汤」(朝に三切れの生姜片を食べることは、人参湯を飲むよりも優る)と言われています。早朝は人体の陽気が活発になっていくので陽気を補充し一日の仕事に備えることができます。

夏が良い。

「冬吃萝卜夏吃姜,不用医生开药方」(冬は大根、夏は生姜を食べれば医者いらず)と言われます。夏は暑熱で涼冷な物を食べることが多いため、表面の陽気が盛んですが体内は脾が弱っているので、生姜で脾胃を保護します。「嘔家聖薬」とも呼ばれ、夏に食べると急性胃腸炎を予防し、口腔及び腸内病原菌を抑制します。

❸秋・夜は控える。

「一年之内,秋不食姜,一日之内,夜不食姜」と言います。夏が終わると天気は涼しくなり、秋の気候は乾燥するので肺を傷つけ易く、生姜を食べると容易に肺を傷つけ、人体の水分流失を強めてしまいます。たくさん食べるとジンゲロールが排泄時に腎臓を傷つけ口干・咽痛・便秘を起こしやすくなります。夜は陰気が最も盛んで、陰気が内に斂まる時に発散の性質のある生姜を食べると容易に気を消耗してしまいます。

❹陰虚の人は控える。

中国医学では「陰虚」という証があります。先天的または様々な原因で身体の陰気が損傷して体内で発熱することで、手足や胸がほてる・発汗・口や眼が乾く・怒り易く煩悶する・不眠といった症状が現れます。こういった方は生姜を食べると陰虚を強めてしまう可能性があります。或いは肺結核・胃潰瘍・胆嚢炎・肺炎・肺膿腫・腎盂腎炎・糖尿病・痔瘻の方は長期摂取は避けた方が良いとされています。

❺多べすぎない。

孔子の『論語』にも「不撤姜食,不多食」とあります。「过犹不及」(過ぎたるは及ばざるがごとし)という諺もあるように、食べすぎは×ですが適度な摂取は躰に有益です。何事も中庸です。

 

以前、薬味が好きで食事時に必ず何かしら食べているという方がいて、思い起こせばそのおかげで健康を維持していたのかもしれないと話されていました。

さらに、

熱した生姜水をお茶として飲むかそれで歯を磨くと歯周炎予防に。生姜で軽く頭を擦り熱した生姜水で洗うとフケ予防に。ご年配の方は生姜と蜂蜜を混ぜた物を飲むことで老年斑の縮小と減少に。産後一か月間に生姜酢を料理に使うことで気力・体質回復と子育てへの恐怖感に。産後に生姜片で身体を洗うと偏頭痛の予防に。一つの食べ物でも活用法によって使い道がたくさんありますね。

生姜の食べ方

最後に中国でよく作られるレシピをご紹介いたします。ある先生は90歳時に人間ドッグで40歳の心臓と診断されたそうです。もちろん生姜だけではありませんが多分に効果のあるものだと思います。私も老中医目指して修身します。

  1. 生姜の酢漬け:適量の生姜を数片、酢に漬け毎朝2~3片食べる。胃を温め寒を散じ、頭をスッキリさせ、血液循環を促進させて動脈硬化を予防します。
  2. 子姜和え:新生姜30~60gを細切りにし、酢・塩を適量加えて、更に白砂糖・ゴマ油を加えます。吐き気を止め、胃を和らげる作用があります。
  3. 生姜半夏湯:半夏12gを煎じて、適量の生姜を加え、一緒に煮詰めて4回に分けて服用します。胃を和らげる作用があります。
  4. 生姜飴糖湯:生姜30~60g、飴糖30gに水を加えて煎じて冷ましながら飲みます。痰を排出し咳を止める作用があり、躰の疲れにより冷えからの咳嗽や喀痰に用います。
  5. 紫蘇生姜湯:紫蘇の葉30g、生姜9gを煎じて湯飲します。発汗・表を解き寒を散じさせる作用があり、風と寒による感冒に用います。
  6. 姜糖水:生姜9g、適量の紅糖を煎じて湯飲します。風による感冒・雨風に打たれた後に用います。
  7. 姜糖茶:生姜9g、適量の紅糖・紅茶を沸騰した湯に混ぜ、お茶として飲みます。冬の寒さ軽減に用い、四肢が氷にように冷える人に良いです。

コメントを残す

*